進捗日記

うまくいくかどうかは関係ない。何事も経験だ。好きな言葉は「ダメもと」です。

エッセイ

📝あったかくていい香りのするおくすり

一日の中では夕暮れ時に紅茶を飲むことが多い。朝はたいていコーヒーだが、午後はどういうわけか紅茶だ。夕方の、ちょっと気持ちが沈みそうな時間に紅茶のティーバッグをカップに入れて、熱いお湯を注ぐ。するとたちまちいい香りが立ち込め、ひと口飲むとな…

📝ぶどうの思い出。

昨日は朝から胃痛がひどかったので、 予定をキャンセルし、 胃薬を飲んで大人しく寝ていた。 食い意地の張っている私が ごはんも食べないで寝ているのは珍しいことだ。 面白いくらいよく眠れたので たぶん疲れも溜まっていたのだろう。 夕方、夫からラインが…

📝三転び三起き。

去年の夏、洗面所でいきなりぶっ倒れてしまった。 倒れるのは、今までの人生で、これが3回目だ。 1回目は中学生の時。 熱を出して寝込み、 起き上がろうとしてバタンと倒れた。 目が覚めると、 父と母が私の顔をのぞき込んでいた。 2回目は息子がお腹にいた…

📝「信頼できる筋」

基本的に人のことは信頼していない。こう書くとひどい人間のように思われるかもしれないが、根っからの心配性なので、何事も自分で何度も確かめないと気が済まないのだ。だが以前に比べると、最近はある程度人に任せられるようになってきた。たぶん年を取っ…

📝箪笥物語

生まれてはじめて買ってもらった箪笥にはバンビのイラストがついていた。おぼろげな記憶しかなくて、どんなのだったか思い出そうとググってみたら、当時の流行りだったらしく、画像がいっぱい出てきた。小学校に上がる前まで使っていたと思う。何かをたたん…

📝「揺れる心」

「ゆれる」という文字を見聞きすると、「ゆれる、まなざし」という言葉が思い浮かぶ。その昔、女優の真行寺君枝さんが出演されていた資生堂のコマーシャルのキャッチコピーだ。神秘的なそのまなざしに当時子どもだった私も心を奪われた。その真行寺君枝さん…

📝「本音丸出し」はひとつの個性

子どもの頃から、人の心の動きとか、行動に至る理由などに興味があった。今でもテレビの番組表を見て、心理学や精神医学関係のものを見かけると録画予約をしておき、時間があるときに観たりしている。 先日、発達障害を抱えているお子さんのドキュメンタリー…

📝「催促」にまつわる黒歴史

私が小2のとき、父が事業に失敗した(たぶん)。たぶん、と言うのは、そのことについて今まで家族のだれからもはっきりとした説明を聞いたことがないからだ。我が家にはほかにも複雑な事情がいくつかあったのだが、どれひとつとしてちゃんと教えてもらったこ…

📝よそから見た国の宝

今までの人生で、かれこれ二十回ぐらいは引っ越しを経験してきた。「二十回ぐらい」と書いたのは、小さい頃のことは覚えていないからだ。観光ではなく実際に住むことで、おのずとその土地の方言にも詳しくなった。 よそから来た者にとって方言の難しいところ…

📝「お金」と「上品さ」は両立するか

ぼろは着てても 心の錦 どんな花より きれいだぜ その昔、水前寺清子さんが歌っていた『いっぽんどっこの唄』にこんな歌詞があった。歌詞を確認するためググってみたら、ルーツは老子の「被褐懐玉(ひかつかいぎょく)」という言葉だそうだ。歌詞の世界もな…

📝「世話」について考える

「世話」という言葉にはいいイメージがない。幼い頃から家族の面倒ばかり見させられてきたせいだろう。「しっかりしている」という言葉のなかに封じ込められ、あまり子どもらしいところがなかったと思う。今になって、ときにはもっとはちゃめちゃに、年相応…