進捗日記

うまくいくかどうかは関係ない。何事も経験だ。好きな言葉は「ダメもと」です。

📝「信頼できる筋」

 基本的に人のことは信頼していない。こう書くとひどい人間のように思われるかもしれないが、根っからの心配性なので、何事も自分で何度も確かめないと気が済まないのだ。だが以前に比べると、最近はある程度人に任せられるようになってきた。たぶん年を取って、自分で何もかもやるのがしんどくなってきたからだ。「年を取って丸くなる」とはこういうことなのだろうか。

 そんな私にとって一番「信頼できる筋」と言えば、やはり家族だ。実際に信頼に値するかどうかは分からないし(お互いに)、分からなくていいことだと思っているが、少なくとも私が今感じている限りでは、ある程度の信頼関係が築けているのではないかと思う。

 友人の数もそれほど多くないが、この人は、と思った人とはつき合いが長いので、一種の信頼関係があるのではないかと思っている。どの人ともそれほど頻繁に会うわけではないが、会って話をすると、やっぱりこの人に会ってよかったと思う人ばかりだ。

 自分の側から見た関係についてはそんなところだが、果たして自分はどう思われているのか、気になると言えば気になるし、気にならないと言えば気にならない。

 今の仕事も「信頼できる筋」から裏を取ることが求められる。したがって公共団体、大学や企業などのページにいって事実を確かめるのだが、これらの情報についても、場合によってはさらなる確認が必要で、せっせとかき集めた情報に基づいて、もっとも常識的だと思えるところに着地するしかない。

 先日、フランス語で書かれた原文を英語に訳したものを私が日本語に訳すという作業をした。途中までは何とか訳していたのだが、ある一文で意味が分からなくなってしまい、うんうん唸りながらあれこれ考えた挙句、英文の訳が間違っていたことが分かった。

 その時、私の頭の中に「伝言ゲーム」という言葉が浮かんだ。フランス語から英語への伝言でバグが起こって、英語から日本語への伝言が正しく伝わらなくなってしまったのだ。我が身を振り返り、私のひねり出した訳文はちゃんと文意を伝えられているのだろうかと思うと怖くなった。でもそういうヒューマンエラーを見つけ出すために、複数の人間が何度もチェックを行なうのだ。これはあら探しなどではなく、いいものを作りたいという仲間が集まって共同作業をしているのだと信じたい。

 なんだ、結局、人を信頼していないとか言いながら、人にあったかいものを求めているじゃないかと思ったら、我ながらなんだか可笑しくなった。