昨日、中園さんの本の話について書きましたが、
東京都現代美術館で中園さんの絵が展示されていると聞き、
早速行ってきました。
絵を見に行くというよりは、
私の気持ちが中園さんに近づいていて、
「会いに行く」と言ったほうがいいような感覚でした。
この美術館には何度か行ったことがありますが、
建物そのものに魅力があると感じます。
どなたが設計されたんだろうと思い、ググってみると、
柳澤孝彦さんというかたでした。
外観を見ただけでも、来てよかったと思いました。
そしてはやる気持ちをおさえつつ、
「歩く、赴く、移動する 1923→2020 Eye to Eye—見ること」の展示室に入りました。
1階と3階に展示があって、
中園さんの絵は3階に展示されていました。
まず最初に見たのが「ポスト人間」。
2007年に墨で和紙に描かれたものだそうです。
最初の感想は「思っていたより大きい」でした(210×150cm)。
ネットの画像でも拝見していたので、
どんな絵かは分かっていたのですが、
実際に見ると迫力が違いますね。
この絵のタイトルがなぜ「ポスト人間」なのか、
いろいろ考えてみましたが、分かりませんでした。
「ポスト人間」はこちらから見れます。↓
そして、2枚目は無題のもの。
中園さんの作品は、そのほとんどが無題です。
この絵は2012年に描かれたものだそうです。
こちらから見れます。↓
ひとりひとり(と言っていいのかどうか分かりませんが)の表情からは
あどけなさやかわいらしさを感じるのに、
全体の重厚感と奥行きがすごいのです。
(画像で見たときは感じませんでした)
部分部分で見ていくと、
平面なのに立体的に書かれているというか、
それが何層にも重なっていて、
たぶん一度見ただけでは
その層のぜんぶを見つけることは難しいのではないかと思います。
それと、ところどころ絵の具が盛り上がっている部分があったりして、
やはりこれは実際に見に行かないと分からないことだと思いました。
そして3枚目。
この絵は2010年に描かれたもののようです。
この絵はほかの2点と比べるとやや小さめですが、
やはりレイヤーがすごいというか、
「あ、ここにも顔がある」などと思い、
探し物をするような気分で
ついつい見入ってしまいました。
こちらから見れます。↓
中園さんのどの絵についても言えるのは、
まず、ほかの展示物とは趣を異にしていて、
見ているうちに自然と考えさせられるのです。
いったいこの絵はどんな理由でこのような構図になったんだろう。
どうしてこの絵を描こうと思ったんだろう。
絵が完成するまで、いったいどのようにして重ねていったんだろう。
この3枚の絵を一度見て、
ほかの展示もあるのでまずは最後までぜんぶ見て、
でもそのまま帰る気になれず、
ふたたび戻って中園さんの絵だけを1枚ずつ見てから帰りました。
機会があったらほかの絵も
ぜひ見てみたいと思いました。
建物の中も素敵です。
平日だったので、ゆったり見られました。