4日目。
朝7時半にホテルをチェックアウト。昨夜フロントでタクシーの予約を入れてもらったので、ドライバーさんとフロント前で待ち合わせ。8人乗りくらいのデカい車が来たのでボラれるんじゃないかとヒヤヒヤしたが(笑)、そんなことはありませんでした。ありがとうございました。
というわけで、セントパンクラス駅に到着。今日はここからユーロスターでパリ北駅に向かう。今日も凍えるように寒い。まずは駅とその周辺を散策した。
駅のなかに1台、いわゆる街角ピアノが置いてあり、夫から「なにか弾いてく?」と聞かれ、気が向いたので弾くことにした。とは言うものの、しばらく弾いていなかったので、さて何を弾こうかとしばし思いあぐね、そうだ、ここはイギリスだからビートルズの"Let it be" を弾こうと思い立った。
ピアノの前には若いお母さんと小さい子どもがふたり。お母さんは何度も"Happy birthday to you" を練習していた。誰かの誕生日なのかもしれない。その3人がいなくなって、次は私の番。
いざ腰かけるとお腹のところのミの板がはげていた。あと、ピアノにチェーンがつけてあって、こんな重いの誰が持っていくのかな、と一瞬思ったけど(笑)、とにかく弾きはじめた。
楽譜もなにもないので、適当に即興で弾いたが、弾いてるうちに気分がノッてきて、「ありがとう、ロンドン」みたいな演奏になったと思う(笑)。大変お世話になりました。
ユーロスターに乗る前に出国審査。手荷物を外し、チェックを受けてゲートを出たが、夫がいつまで経っても出てこない。どうしたのかと思って見てみると、荷物を預けるところで、夫が腰につけたセキュリティポーチと格闘していて、係の女の人が"He's stuck!" と笑顔で教えてくれた。ポーチの留め具がベルト通しに引っかかったというオチでした。
朝ごはんが早くて、お腹が空いてきたので売店でお昼を購入。私は仮歯なので、食べられるものを探さないといけなくて、それがちょっと面倒だと思った。結局ヨーグルトにグラノーラがかかったものと、ハムチーズクロワッサンを食べた。どちらもおいしかった。グラノーラは食べるのにテクニックが要ったがなんとかなった。クロワッサンは車内で手でちぎって食べた。
さていよいよユーロスターに乗車。個人的な感想としては、座席はLCC に似ている。電車の内外はあまり掃除をしていない様子。とにかく人の話し声が大きく、子どもの声やら赤ん坊の泣く声、スマホで英会話の練習をしている声、トランプでもしているのか合い間合い間に笑いながら何か言う声など、あちこちから聞こえてくるのだが、不思議とあまり気にならない。私は何度か寝入ってしまい、寝てる間に電車はドーバー海峡を超えていた(笑)。
こんにちは、フランス。
目覚めて目に入ってくるのは広大な畑。フランスは食料自給率が200パーセントだと聞いたことがあるが、それもそのはずだと思った。だってこんなに畑が広いんだもの。ときどき見える家並みは安野光雅さんの絵のようだ。
それにしても車内が寒くて体が冷えたのか、突然くしゃみが止まらなくなってしまった。まわりの人も咳やくしゃみをしている。車内が乾燥しているのだろう。顔もたちまちしなびたような感じになり、一気に老け込んだ気分になった。
そうこうしているうちにパリ北駅に到着。着くまでの線路沿いが落書きで埋め尽くされていた。ユーロスターの乗客に向けて描いているのかな。
パリ北駅では入国審査がなく、改札さえなかった。おそらくセントパンクラス駅での出国審査が入国審査も兼ねているのだろう。同じ鉄道の駅なのに、それぞれのお国柄が出ていて面白い。
駅のトイレに行ったのだが、トイレの入口にゲートがあって、そこでカードなどをタッチして、1ユーロ支払ってトイレに入る。最初、トイレ1回に1ユーロ! と思ったが、中には警備員と思しき人が何人かいて、個室もきれいに掃除されている。安全をお金で買うと思えば高くない金額なのかも知れないと思った。
ガイドブックによると、パリではタクシーはタクシー乗り場から乗らないと、ボラれることがあるとのことだったので、タクシー乗り場に行き、誘導の人に従ってタクシーに乗った。ところがこのドライバーさん、トランクに荷物を積もうともしないし、ガムをくちゃくちゃ噛んでいるし、行き先を告げても返事もしてくれないし、運転は荒いしで、なんだか軽くテンションが下がった。でも支払いのときにチップをあげたら荷物をおろしてくれて、挨拶もしてくれた。私はこういうのが本当に苦手。もう一律で"service included" にしてほしいと心から願う。
ようやくホテルにチェックイン。フロントの人から今日は予約の部屋より大きめの部屋があいているのでよろしければ無料でオファーしますがいかがですか? と聞かれ、二つ返事でお願いした(思わず"for free?" と聞き返してしまった)(笑)。ここはいわゆるホテルというよりアパルトマンみたいなところで、新しくはないがきちんと手入れされていて、とても居心地がいい。あとはホテル全体のインテリアのセンスがとてもよく、やっぱりバリのホテルはひと味違うなーと思ってしまった。
疲れたので夕食は部屋で取ることにして、散歩がてら近所の"Monoprix" というスーパーに行く。いろんな食べ物があってとても楽しい。私はクスクスが入ったボウルを選んだ。
夕食後、まず夫が寝てしまい、それなら私もちょっと寝ようと横になったが最後、ぐっすりと寝入ってしまった。そして3時半頃ぱちっと目が覚めたので、ブログを書いた。