この間、大橋歩さんの「日々が大切」という本を読みました。
読んでいると、なぜか気持ちがとても落ち着くのを感じました。
そしてふと、宇野千代さんの「振袖櫻」という写真集のことを思い出しました。
この写真集には宇野さんの日常生活や、
思い出の場所や品物などの写真がいっぱい載っていて、
何度も読み返した記憶があります。
それから少し経って、
樹木希林さんの思い出話をしているところを
偶然お見かけしたのですが、
その時に、浅田さんが樹木さんのことを、
「ふだんの暮らしを大切にしていた」と表現されていて、
ああ、私が落ち着いた気持ちになれたのは、
こういうことだったんだ、と思いました。
私がこのお三方を好きなのは、
ふだんの暮らしも大切にしながら、
お仕事をされているからです。
私もそういう生き方が好きで、
そういう暮らし方ができたらいいなぁと思っていたので、
実際のロールモデルを次々に目の当たりにして、
「それでいいんだよ」
と言ってもらえたような気がして、
安心したのだと思います。
私はと言えば、
今まで家族のことを第一に考え
(いやいややっていたわけではありません。私がそうしたかったのです)、
仕事の面では大きなことは成し遂げられていませんが、
自分なりに目の前のことに地道に取り組んできました。
時には「これでよかったんだろうか」と思うようなことも何度かありましたが、
そんな生き方が、今になって報われたような気がしています。
それと同時に、
自分のこれからの生き方についても、
肚が決まったというか、定まったように思いました。