進捗日記

うまくいくかどうかは関係ない。何事も経験だ。好きな言葉は「ダメもと」です。

📙のびのびしたご家族の、すてきな本でした。「旅の絵日記」和田誠 平野レミ

 

 

このところ、歯医者ネタばかりが続いたので(笑)、

(ま、私にとってはここが正念場っていうのもあるんですが)

今日は趣を変えて、読んだ本の感想をお伝えしたいと思います。

 

この本では平野レミさんが主に文章を、

ご主人の和田誠さんが絵を担当し、

1989年にご家族4人でヨーロッパにご旅行された時のことが書かれています。

25日間といいますから、

けっこうなボリュームですね。

移動手段はほぼ車で、

ニースに住んでいる写真家の関原彰さんというかたが

ドライバーと通訳を担当されています。

この本には関川さんの写真も載っています。

 

読んで感じたことは、

レミさんと誠さんの観察眼のすごさ。

通りすがりの人、食べた料理、地元の風景や催し物など、

あらゆることをつぶさに観察なさっていて、

それらについてご自分の思いを吐露したり、

絵に反映しているところが

すばらしいと思いました。

レミさんの文章からは、

ふだんお見かけする雰囲気よりも

ぐっと落ち着いた印象を受けました。

 

ご長男はトライセラトップス

ボーカルとギターを担当されている和田唱さんで、

旅行時は中学生だったそうなのですが、

なかなかどうして大人っぽい。

ワインの味見などもして、

深いとか浅いとか、

ちゃんと味わっていらっしゃるところなどは

ご両親のよいところを受け継がれている感じがしました。

あと、作文もなかなか読みごたえがありました。

 

次男の和田率さん(キッチン用品ブランド「remy」のクリエイティブ・ディレクター)は

このころ小学生だったそうなのですが、

性格が唱さんと好対照をなしているというか、

きっぱりしていておもしろい。

レミさんに似たのかな。

率さんの描いた剣の絵も載っているのですが、

ほんとうに上手で、細かいところまできちっと描いてあり、

こちらは誠さんの影響かな、と思いました。

 

誠さんのコラムも載っています。

誠さんは旅のなかでは

必ず知らないものをオーダーすることにしているそうですが、

旅の間、そのポリシーが揺るがないというか、

一貫していておもしろい。

 

それが「四種四様」というのでしょうか、

家族全員がマイペースを貫いていながら

のびのびとしている印象を受けました。

いい家族の形だなぁ、と思いました。

 

レミさんのお父様はアメリカ人と日本人のハーフだそうですが、

そのせいか、

レミさんはレストランで何度かお父様に似た人を見かけては

涙してしまいます。

その場面を読んで、

おふたりは良好な親子関係だったんだろうなぁ、

と思いました。

 

旅日記のいいところは

読者も旅をしたような気分になれることだと思います。

この日記はほんとうに読後がよく、

しばらく旅の余韻に浸っていました。

 


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枕元において読んでたので、まくらカバーといっしょに撮ってみました。

しおりはたぶん服を買ったときのプライスカードか何か。